SeaTurtleEcologyLab

 ウミガメの祖先は約1億3千500万年前に誕生し、地球規模の環境変動をいくつも乗り越え、今では海洋生態系に欠かせない存在となっています。
 砂浜で生まれた稚ガメは広大な海へと泳ぎ出し、海流や地磁気などの地球環境の影響を受けながら、生まれた砂浜へ戻って産卵します。けれども、この回遊に必要な能力をいかに獲得し、どこでどのように成長して故郷へ戻ってくるのか、彼らの基礎的な生態の多くは、いまだ謎に包まれています。

 ウミガメはわたしたち日本人にもなじみのある存在ですが、かつて日本の海岸でよく見られたアカウミガメは激減し、世界中のウミガメもすべての種で絶滅が危惧されています。
 そのため、これまでに国内外で多くの保護活動が行われてきましたが、その活動は必ずしも保護に貢献しているとはいえず、むしろ絶滅寸前にまで追い込まれている場合もあります。
 なぜでしょうか?

 当団体は、ウミガメの絶滅を阻止するには、彼らの基礎的な生態、そして彼らを取り巻く環境を科学的に解明していくことが必要だと考えます。
 そのために、当団体は国内外の研究者や団体、そして企業や一般の人々と協力し、現場での調査を基に、ウミガメを多様な視点から科学的に捉え、「ウミガメ学(Sea Turtle-ology)」を創造します。
 それはウミガメと人との関係を根本から問い直すもので、ウミガメを絶滅から救い、そしてまた後戻りすることのない生態系の回復や生物多様性の保全に貢献します。

2025年3月21日

「ネイチャーポジティブ」とは…

「ネイチャーポジティブ(自然再興)」とは、自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させることを意味します。2030年までに「ネイチャーポジティブ(自然再興)」を実現することが、2050年ビジョンの達成に向けた短期目標です。
「2030年ネイチャーポジティブ(自然再興)」の実現に向けて、人類存続の基盤としての健全な生態系を確保し、自然の恵みを維持し回復させ、自然資本を守り活かす社会経済活動を広げるために、これまでの生物多様性保全施策に加えて気候変動対策や資源循環等の様々な分野の施策と連携し取り組みます。

『2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF)』ウェブサイトより引用)

〈参考ウェブサイト〉

『J-GBFネイチャーポジティブ宣言』

『ecojin(エコジン)』「連載ecojin’s EYE:ネイチャーポジティブ」
(環境省ウェブマガジン)

※最新の知見を元に内容を修正しました(2025年4月3日)。
(修正前)ウミガメの祖先は約1億2千万年前に誕生
(修正後)ウミガメの祖先は約1億3千500万年前に誕生